part4(31〜)

  1. 一刻堂樹
    今の気分1

    南海の
    なんばの近くの
    借家にて
    われ泣き濡れて
    ダニとたわむる


  2. 一刻堂樹
    今の気分2

    東向き
    奈良の山々
    見渡して
    貴女を思った
    若かりし夏


  3. 神楽坂朱夏
    零の祈り

    ゆるやかに舞う
     朝のひきつった輝きの中で
    鳥のさえずり回る
      誘われゆく風
     花びらは流れ
       どこまでも流れ
        場所までも忘れ
       其処に残るあはれ
      歩みゆく春の中で
     君の夢は離れ
    この想いも破れ……
       今はただ祈るばかりで……

      朝は残酷な光を投げかける
       逃げ場所なんてない
        どこまでも続く意識の迷宮を
       舞いながら
      果てしなく
     果てしなく
    追いつめる

    私にはもう、祈ることしか許されていない。
    この残酷な優しさから早く解放されるようにと……


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