Tujimura kanade presents
rainfall 〜prologue〜
落ちる雨の音は君を呼び起こす調べ
墜ちる雲は過去の重さに縛られている
空を仰ぎ見て想うのは過去の情熱
薄暗い空にも似た悪しき罪業
いつ 歯車が狂ったのか 誰も知らず 響くは雨音
いつ 過ちは許されるのか 神のみぞ知る されど神を信じず
ただ ただ 響く ノイズ
遙か昔の思いが染みてはらりはらりと傘を侵す
やがて知る終わりの瞬間
されど想う 未練がましく 縋りついて
ただ想う 切なさに似た 悲しみにも似た 無常な 記憶
あめ 雨 あめ 天 あめ ……
『永遠に生きることはできない、誰もが死ぬことを知っている。
それゆえに人生は輝くのだ。』
その輝きはやがて失せる
失せると知っていてなお輝こうとする
なんという欺瞞 神の仕掛けた巧妙なる詐欺
雨に濡れた猫 傘を差す人々
倫理の壁の自己満足
別れのために人は出会う
別れを惜しみ 涙する
出会った二人は光を求め されど求める術を知らず
求めるうちに気付く 語り合う偽りに
偽りの言葉は 誰がため ただ己の保身のため
偽りを信じ 偽りに気付き 偽りのために疵を負い
それでも己がため 偽りを信ず
別れ それは出会いの結末
出会う故に別れる
生きる 故に 人は死ぬ
死ぬからこそ 生きる
避けることはできないのだ
rainfall
それは出会いの物語 偽りの愛の物語 そして輪廻する運命の物語
Rainfall
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avoidable love life